備後尾道 柿渋商店

瀬戸内地方で昔ながらに柿渋を手作りしています

真夏日の塗り


塗るそばからかわく。最速で三回塗りできました。

暑い日は、刷毛で塗るそばからかわくので、大急ぎで塗ります。むらにならないように、全力ダッシュ。端まで塗ると、始めの端はもう乾いているので、そのまま重ね塗りしていきます。三往復して最速記録で三回塗りできました。

木の片面にだけ水分を含ませて強い日光にあてると板が曲がるので、夏の柿渋塗りは夕方からが本当におすすめです。夜に乾かして、朝にはもう中表に板を平らに積んだほうが安全かもしれません。発色はゆっくり待つことにして。

私も夕方から開始したのてすが、それでも速乾。白い板だと、刷毛の塗りはじめのあとがつきそうで、あわわ。ともかく塗る。ふく。時間も体力も限りあるなかで、できるだけ、できることを頑張ってみるしかないのでございます。

土曜夕方に塗って、月曜お昼には、下の写真のような、かなり良い色に。これで取り込みました。大工さんが、少し心配しながら板の曲がり具合?を見ていたような気がします。2日ともピカピカの晴れでした。

おまけ。暑いと、一晩でも、柿渋の一部が固まりゼリー状のものができることがあります。ゼリーって言っても、食べられません(食べてみたことないですけど、、。見た目にはじめはびっくりするかもですが、すぐ見慣れます。下の写真が気持ち悪かったらすみません。何で固まるんだろう、不思議ですよね、柿渋さん。ゼラチンのゼリーとどう違うのかなあ、日に透かすと綺麗だな。ひまに理科の自由研究を色々したくなります。どなたか夏休みの宿題に一緒にやりませんか)

 ともあれ、そんな一部が固まった柿渋さんは、ザルと、ろうとで濾して、小さい容器に移しかえておくのがおすすめです。本当にこすなら生ゴミネットが良いですが、とりあえず大容量のときはザルで。柿渋さんの落ちる速度が断然速いので。横に水を入れたバケツをおいて、時々ザルを洗いながら、どんどん容器に移しかえていきます。写真奥のポリ容器のような、柿渋が空気と触れる面が大きいのは、特にいけませぬ。すぐ表面に幕もはるし、底は固まるし、使える量が目減りします。なお、上の写真の材木に使った柿渋は、2リツトル位?だったかな?4リットル?水を塗るのと同じ位が必要量の目安です。

 ポリ容器は他の商品詰め作業もあって、そしてついつい、無念の途中やめで一晩過ぎて、朝、ああ固まっちゃった~、しまった、の図であります。決していつもこのような事態になっているわけではありません、、と弁解してみる。柿渋の一滴は酒の一滴と思え。すみません師匠、ああ、やんぬるかな、すみません、、、これ、初めて大容量の柿渋さんを扱って経験する時は結構ショックで心折れたりするのではないかと思いますので、まあ、こんなことでも、もしも、どなたかのご参考になりましたらば幸いです。


kanae3 • 2020年6月22日


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